【2025年11月14日更新】
PMBOK®ガイド第8版 英語版(PDF)が2024年11月14日(金)にリリースされました。 また、試験出題元であるECOも2026年版がリリースされ、PMP試験改定は2026年7月となることも情報が公開されました。 最新の第8版のポイントについては弊社にて内容を確認のうえ、迅速に本ページにて情報を改定して参ります。
2025年11月14日、PMBOK®ガイド(PMBOK®Guide) が第7版から第8版に改定されました。本ページでは、米国PMIによるPMBOK®ガイド 第8版に関する最新情報および、海外や国内におけるプロジェクトマネジメント関連組織や団体により発表されている情報に基づいて、PMBOK®ガイド 第8版の変更に関する最新情報を日本語でわかりやすくお伝えいたします。
<ご注意>
随時、最新情報をお伝えすることを心がけておりますが、本ページは米国PMI本部より発表された「PMBOK®ガイド 第8版」の英語版をもとに当社にて日本語に翻訳を行っておりますため、最終的にリリースされる日本語版と内容や表現が異なる場合ありますこと、あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。
【2025年10月24日追加|PMBOK®ガイド第8版最新情報 徹底解説動画】
PMBOK®ガイド第8版最新情報 徹底解説動画(YOUTUBE)を追加。変更のポイント、試験への影響、今後の対策を動画でサクッと理解できるようになりました。
PMBOK®ガイド(PMBOK®Guide)とは、 Project Management Body of Knowledgeの略で、「プロジェクトマネジメントの知識体系ガイド」の略称です。米国PMI本部が発行するPMBOK®ガイド は、プロジェクトマネジメントの世界標準として浸透しており、下記の2つの役割を持っています。
PMBOK®ガイド とは、国際的に標準とされているプロジェクトマネジメントの知識体系(ガイド、手法、方法論、ベストプラクティス) がまとめられており、建設や製造、ソフトウェア開発などに限らず、幅広いプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの基盤を提供するガイドです。すべてのプロのプロジェクトマネージャーが知っておくべき知識の中核となるもの がまとめられています。
PMBOK®ガイド とは、プロジェクトマネジメントの専門用語とプロジェクトマネジメントのための標準を提供するガイドライン でもあります。ISO 9001規格とANSI
17024規格(アメリカ合衆国における工業規格の標準化を行う機関でJIS規格に近い位置づけとされています)の標準化団体の認証を受けています。
PMBOK®ガイド は、プロジェクトマネジメントの進化にあわせて、業界のベストプラクティスを反映するために定期的に改訂されます。PMBOK®ガイド の改定は、プロジェクトマネジメントにおける最新の技術や業界のベストプラクティスを反映し、ANSI(アメリカ国家規格協会)ガイドラインに準拠することで、グローバルな利用者のニーズに対応しています。
PMBOK®ガイド の改訂によって、プロジェクトマネジメントの実務者は、より実践的な知識とガイドラインを得ることができ、プロジェクトの成功に貢献しやすくなります。また、PMBOK®ガイド は、プロジェクトやプログラム、ポートフォリオマネジメントの実践のベースとしても進化しており、多種多様な業界や環境にも適応することを可能としています。
【2025年11月14日】PMBOK®ガイド 第8版(英語版)のPDFデータが正式リリースされました。
PMI®本会員登録済みの方は、PMIウェブサイトにログインし、PDFデータを無料でダウンロードすることができます。
米国Amazon のウェブサイトでも『PMBOK®Guide Eighth Edition』(英語版)キンドル版の購入が可能となっています。また、ペーパーバック版は引き続き2026年1月13日販売開始予定となっています。
PDF(英語版のみ):2025年11月14日 リリース
キンドル版:2025年11月13日 ⇒ 2025年11月14日 販売開始
ペーパーバック版リリース:2026年1月13日 販売開始(予定)
PMP試験変更:2026年7月中 ※現時点で具体的な改定日は未定です
● PMBOK®Guide 第8版(英語版)のダウンロードはこちら
● 2026年7月以降のPMP®資格情報はこちら
なお、これまでのPMBOKガイド® 改定では、日本語版は英語版リリース後に日本語に翻訳・リリース されてきました。
PMBOK®ガイド 第7版では、PMI日本支部が翻訳コンテンツのライセンスを取得して日本語翻訳および日本国内での製本・販売を行っており、2021年7月:英語(PDF)版リリース ⇒ 2021年8月:英語(書籍)版リリース ⇒ 2021年10月初旬:日本語(PDF)版リリース ⇒
2021年10月後半:日本度(書籍)版リリース)というスケジュールであったため、PMBOK®ガイド 第8版も同様のスキームとなる場合、日本語版のリリースは2026年1月13日から数ヶ月遅れる可能性があります。
PMIより新たな情報が公開されましたら随時、本ページも更新していきますので、是非本ページをブックマークして最新情報をご確認ください。
現行のPMP試験はECO(Examination Content Outline) で試験範囲が明確化されています。
ECO は、PMP®試験を作成するために行われた調査をまとめたもので、プロジェクトマネジャーがその役割を果たすうえで習得すべき最も重要なタスクが記載されています。
<2025年11月14日追記>
2025年11月14日、2026年7月に改定されるPMP®新試験のECO もリリースされました。
現行のECO からの大幅な改定となりますので、こちら から最新のECO情報をご確認ください。
PMBOK®ガイド は試験出題の参考図書のひとつに位置付けられています。
PMP試験がPMBOK®ガイド から直接出題されるわけではありませんが、PMBOK®ガイド は、プロジェクトマネジメントの豊富な知識と体系的な学習のサポートを提供しており、PMP®試験合格を目指す方にとって重要な参考書である ことに変わりありません。特に、最新のPMBOK®ガイド 第8版は、試験内容に影響を与える可能性があるため、必ず最新情報を確認するようにしましょう。
<今後のPMP®試験対策の重要ポイント>
<追加情報:PMBOK®ガイド第8版とCAPM認定試験 との関連性>
現段階で、CAPM有資格者は公式学習時間は必要なく(23時間分の公式学習が免除)受験が可能でしたが、2026年7月以降は、PMP®認定のECOに沿った追加の商業トレーニング12時間分の学習が必要となります。
※CAPM認定試験 の詳細については、詳しい情報がわかり次第アップデートいたします。
2026年7月中に、PMP®試験が第8版に対応した内容に変更されます。
2025年11月14日現在、PMIより現行の第7版対応のPMP試験は「2026年7月まで受験可能」 とアナウンスされていますが、新試験のパイロット版 が2026年1月5日~1月30日まで実施 され(試験出題は英語のみ)、完全に更新された試験は2026年7月に運用開始 となるとのことです。
現時点で具体的な試験の切り替え日時は未定とのことですが、これからPMPの取得を検討されている方は、再受験の可能性も考慮して 改訂前の2025年6月までに受験 されることをおすすめいたします。
<PMBOK®ガイド 改定前に受験するメリット>
教材が豊富
PMBOK®ガイド の改訂直後は、最新版に対応した教材が殆どありません。PMBOK®ガイド の日本語版や日本語コースのリリースは通常、英語版よりも遅れることや、国内でも最新版に準拠した参考書や研修、eラーニング、模擬試験などの教材が流通するまでに時間がかかるため、最新情報に基づいたPMP®新試験対策が難しくなり、試験の準備に時間かかってしまう場合があります。
情報収集のしやすさ
PMBOK®ガイド 改訂前(第7版)の教材や情報はすでに豊富に出揃っているため、情報収集もしやすく、効果的な受験対策が可能です。
<PMBOK®ガイド 改定前後の注意点>
もしも現行のPMP試験で不合格の場合、再受験のタイミングによっては試験内容が改定されている可能性があります。 受験の計画を立てる際は、この点を考慮し、余裕を持ってスケジュールされることを強くおすすめいたします。
PMBOK®ガイド第8版で「プロセス」と「ITTO」が再定義されたことにより、PMP試験内容と出題傾向に、大きな影響を与えると考えられます。
JPSビジネスカレッジでは、PMI®の認定を受けた講師およびPMP®有資格者監修のもとで、以下のような変更が生じるものと予想しています。
「シナリオ問題」の質的な変化: 「シナリオ問題が減る」というよりは、シナリオ問題の焦点が変わる ことが想定されます。
第7版で重視された「原理・原則といったマインドセット重視のシナリオ問題」は継続しつつ、第6版のような「この状況で、次に実施すべきプロセスは?」といったプロセス知識を前提としたハイブリッド型のシナリオ問題が増加する可能性 があります。
・第7版までの試験出題傾向・・・原理・原則ベース
・第8版以降で想定される試験出題傾向・・・原理+プロセスのハイブリッド型
・「何をすべきか(Why)」(原則や価値提供に基づいたPMのマインドセットと判断を問う問題(例:「プロジェクトマネジャーとして次にとるべき行動は?)) 、「どのようにすべきか(How)」(具体的なプロセスやツールの適用を問う問題) が復活・増加する可能性があります。
・アジャイル・ハイブリッド環境でのチームやステークホルダーへの柔軟な対応力:
上記に加え、40のプロセスやITTOの知識、AIなどの新しいツールと技術を具体的な状況で「どう使うか」を問う問題が追加されることが予想されます。
ITTO(インプット・ツールと技術・アウトプット)知識の復活:
目次に「インプットとアウトプット」「ツールと技法」が明記されたことから、かつてPMP試験で重要視された、以下の様な知識問題が再登場する可能性があります。
・ITTOの理解を問う問題: 特定のプロセス(例:スコープの定義)における主要なインプットやアウトプットは何か、という知識。
・ツールの詳細を問う問題: 特定のツールと技術(例:EVM、データ分析、AIツール)がどのプロセスでどのように使われるか、という具体的な知識。
新規トピックの出題(AI、ファイナンス、持続可能性など):
PMBOK®ガイド 第8版の新しい付録や原則に含まれるトピックが、PMP試験の新たな出題領域となる可能性があります。
・ 人工知能 (AI): AI/MLのプロジェクト管理におけるユースケース(例:リスク予測、スケジュール最適化)や、倫理的考慮事項に関する問題。
・ファイナンスパフォーマンス領域: NPV(正味現在価値)やROI(投資収益率)などのビジネス価値実現に関する財務指標や、コスト管理との関係を問う問題。
・持続可能性: 「すべてのプロジェクト領域に持続可能性を統合する」という原則に基づいた、プロジェクトが環境的・社会的な影響にどう配慮すべきかを問う問題。
※上記のPMP試験変更の予測は、2025年10月に米国PMIウェブサイトでリリースされた「PMBOK® Guide – 8th Edition
Table of Contents」 の目次情報に基づいて、JPSビジネスカレッジおよびJPSビジネスカレッジの米国PMI®認定トレーナーによる監修のもと独自に予測している内容です。
11月に実際にリリースされたPMBOK® Guide – 8th Edition およびそれに対応する試験出題内容では、出題傾向が上記の記載とは変わる可能性があります。
PMBOK®ガイド 第8版では、第7版にいくつかの重要な変更点が追加されています。
PMBOK®ガイド 第7版と第8版の最大の違いは、第7版の柔軟な「原理・原則」 を土台としつつ、実務家がプロジェクトを遂行する上で必要としていた具体的な「プロセス」と「ツール・技術」に関する記述を大幅に復活 させ、現代的なテーマを取り込んだハイブリッドな構成 となっている点です。
「プロジェクト・パフォーマンス・ドメイン」の再定義
PMBOK®ガイド 第7版・・・「8つのプロジェクト・パフォーマンス・ドメイン」 ⇒ PMBOK®ガイド 第8版・・・「7 つのプロジェクトマネジメント・パフォーマンス・ドメイン」 として再定義。 各パフォーマンスドメイン内で「プロセス」 の項目が復活 していることから、第7版よりも実務的な手順に関する記述が増加 していると想定されます。そして、パフォーマンスドメインごとに「テーラリングに関する考慮事項」 が追加 されており、多様なプロジェクト環境への適応方法に関するガイダンスが強化されていると考えられます。
「プロジェクトマネジメントにおける原理・原則」の再定義
PMBOK®ガイド 第7版・・・「12の原理・原則」
⇒ PMBOK®ガイド 第8版・・・「6 つの原理・原則」 として再定義
プロセスグループを重点領域として再導入 PMBOK®ガイド
第6版まで掲載されていた「プロジェクトマネジメント・プロセス群と知識エリアの対応表」(プロセスマップ)が、PMBOK®ガイド 第8版では「プロセス群とパフォーマンス領域の対応表」 として復活し、第6版時の「49のプロセス」から「40 のプロセス」 に再定義 されています。そして、プロセスベースの構造が「立ち上げ」」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の各プロセスにおける「重点分野」という形で再導入され、PMBOK®ガイド第6版への揺り戻しが図られています。
ITTOの復活
PMBOK®ガイド 第8版では、第6版まで利用されていた「ITTO(インプット・ツールと技法・アウトプット)」 のフレームワークが復活しました。そして、PMBOK®ガイド 第8版では新たに「4.
インプットとアウトプット」および「5.ツールと技法」という独立した章立てで復活 しています。これにより「インプットとアウトプット」「ツールと技法」の内容が大幅に拡充され各インプット、アウトプット、ツールと技法の概要と詳細を確認できるようになっています。
付属文書の強化
PMBOK®ガイド 第8版では、PMO(プロジェクトマネジメント・オフィス)やAIの活用、調達に関する情報が更新・強化 され、急速に変化するプロジェクト環境に対応するための具体的なガイダンスが提供されています。
ページ数のボリュームアップ
PMBOK®ガイド 第8版は、PMBOK®ガイド 第7版との比較で「プロジェクトマネジメント標準」と「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の合計で約151ページボリュームアップ しています。
<補足>
本ページの情報は、2025年10月にリリースされたPMBOK® Guide – 8th Edition Table of
Contents および2025年11月にリリースされたPMBOK® Guide – 8th
Edition(英語版PDF) に基づいて記載されています。今後リリースされる日本語版と本ページの表現や表記が異なる場合がございますが、随時最新情報に更新してお伝えしてまいります。
PMBOK®ガイド 第7版
PMBOK®ガイド 第8版
●プロジェクト・マネジメント標準
(12の原理・原則)
はじめに
価値実現システム
プロジェクトマネジメントの原則 ・スチュワードシップ
・チーム
・ステークホルダー
・バリュー(価値)
・システム思考
・リーダーシップ
・テーラリング
・品質
・複雑性
・リスク
・順応性と柔軟性
・チェンジ・マネジメント(変更)
●プロジェクト・マネジメント標準
はじめに
価値実現システム
プロジェクトマネジメントの原則 ・プロジェクトマネジメントの考え方
・6つの 原則とパフォーマンス領域: ・包括的な視点の採用 ・価値に焦点を当てる
・プロセスと成果物に品質を組み込む
・責任あるリーダーであれ
・すべてのプロジェクト領域に持続可能性を統合する
・エンパワーメント文化を構築する
プロジェクトライフサイクル: ・プロジェクト・フェーズ
・プロジェクト開発アプローチ
・開発アプローチ選択の考慮事項
・デリバリー・ケイデンス(頻度)
・プロジェクトマネジメントの重点領域:
・立ち上げの重点領域
・計画の重点領域
・実行の重点領域
・監視・コントロールの重点領域
・終結の重点領域
・全体としての重点領域
●プロジェクト・マネジメント知識体系
(8つのパフォーマンスドメイン)
はじめに
8つのプロジェクト・パフォーマンスドメイン
・ステークホルダー
・チーム
・開発アプローチとライフサイクル
・計画
・プロジェクト作業
・デリバリー(納品)
・測定
・不確実性
テーラリング
モデル、手法、成果物
●プロジェクトマネジメント知識体系(PMBOK®ガイド )
はじめに
7つのプロジェクトマネジメントパフォーマンス・ドメイン
・ガバナンスパフォーマンス・ドメイン
・スコープパフォーマンス・ドメイン
・スケジュールパフォーマンス・ドメイン
・ファイナンスパフォーマンス・ドメイン
・ステークホルダーパフォーマンス・ドメイン
・資源パフォーマンス・ドメイン
・リスクパフォーマンス・ドメイン
テーラリング
インプットとアウトプット
ツールと技法
●アペンディクス:用語集・索引
● アペンディクス:
寄稿者と査読者
プロジェクトマネジメントオフィス.
人工知能
調達
PMBOK®ガイドの進化
参考文献
用語集・索引
PMBOK®ガイド第8版( A Guide to the Project Management Body of Knowledge )では 「プロジェクト・パローマンス・ドメイン」が8つ ⇒ 7つに再定義されました。
PMBOK®ガイド 第8版における「7 つのプロジェクトマネジメント・パフォーマンス・ドメイン」とは?
ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン
・プロジェクトの価値提供を最適化するためにプロジェクトマネジメントの意思決定と活動を導く枠組み、機能、プロセス。
・戦略的整合性、意思決定と変更、プロジェクト成功基準に関連するプロジェクト統合マネジメントを実施。
・ リスクと機会管理を統合し、潜在的な課題の積極的な特定と軽減を確保し、付加価値創出の機会を活用する。
・ プロジェクトがポートフォリオ、組織戦略、目標と整合していることを保証する。
・価値提供のための統合システムとして、様々なプロセス、文書、プロジェクト管理活動を特定、定義、統合、統一、調整する相互に関連する活動を実施する。
スコープ・パフォーマンス・ドメイン
・プロジェクトを成功裏に完了するために必要な作業を網羅し、要求される作業のみをマッピングして不要な作業が行われないことを保証し、プロジェクトの価値を最大化するためにコストとスケジュールを最適化する。
・品質にも焦点を当て、成果物が指定された受入基準を満たし、それらを生産するために使用されるプロセスが効果的かつ効率的であることを保証する。継続的なプロセス改善を重視し、スコープと品質の両方が整合し、プロジェクトの目標と基準を一貫して満たすことを保証する。
スケジュール・パフォーマンス・ドメイン
・プロジェクトの期日通りの完了を監督するために必要なプロセス。
現実的なスケジュールを維持するため、プロジェクト期間を通じてスケジュールの見直しと維持を継続する。
・プロジェクトスコープで定義された製品、サービス、成果をプロジェクトがいつ、どのように提供するかを示す計画を提供する。
・コミュニケーションとステークホルダーの期待値管理のためのツールとして、パフォーマンス報告の基盤を提供する。
ファイナンス・パフォーマンス・ドメイン
・組織の内部および外部における金銭的資源の使用と配分に関連するプロセス。
計画、見積もり、予算編成、資金調達、資金供給、マネジメント、測定、コスト管理に対して、プロジェクトが組織にとっての価値を最適化できるようにする。
・プロジェクト作業と実績に関するタイムリーかつ正確な情報を得ることで、望ましい実績からの現在または予想される差異に対処するために必要な適切な行動を決定する。
※PMBOK®ガイド第6版・7版における「コスト」に関する知識エリア/パフォーマンス領域が「ファイナンス・パフォーマンスドメイン」として再定義され、従来のコスト管理に加え、ビジネス価値の実現(例:NPV, ROI)といった財務的な側面に重点が移っています。
ステークホルダー・パフォーマンス・ドメイン
・ステークホルダーの特定からプロジェクトの全ライフサイクルにおける関与のモニタリングに至るまで、ステークホルダーエンゲージメントに関連するプロセス。
・コミュニケーションマネジメントと密接に関連し、交渉やコンフリクトマネジメント等の主要スキルの開発が含まれる。
リソース・パフォーマンス・ドメイン
・プロジェクトチームが利用可能なリソースをいかに効果的かつ効率的に計画し、活用するプロセス。人的リソースと物理的または仮想的なリソース(設備、資材、備品、施設、インフラストラクチャ、ソフトウェア、テスト環境、ライセンス、サービス、情報、文書)の両方を含む。
・プロジェクトマネジャーが自由に使えるリソースを効果的かつ効率的に適用するという主要概念を掘り下げ、最適なプロジェクト成果を促進するために、人的、物理的、または仮想的リソースを監督する方法を探る。
リスク・パフォーマンス・ドメイン
・リスクマネジメントの慣行を通じてリスクをマネジメントすることにより、プロジェクトのレジリエンス(回復力)を構築するための包括的なアプローチ。
・プロジェクトチームが様々なリスクや混乱を予測し、準備し、対応し、適応する能力を重視し、様々な不確実性のもとでも継続性と成功を確保する。
品質パフォーマンス・ドメインの統合 品質は「プロセスと成果物への品質の組み込み」という原理・原則として扱われ、 品質に関する内容は他のパフォーマンス領域や原則に統合されています。
(参考)
PMBOK®ガイド 第7版における「8つのパフォーマンス・ドメイン」
ステークホルダー・パフォーマンス領域: 利害関係者に関する活動と機能に対処する
チーム・パフォーマンス領域: ビジネスの結果を実現させるための成果物を生み出す責任を持つ人に関する活動や機能
開発アプローチとライフサイクル・パフォーマンス・ドメイン: プロジェクトの開発アプローチ、そのリズム、ライフサイクル、フェーズに関する活動や機能
計画パフォーマンス・ドメイン:
プロジェクトの結果や成果物の提供に必要な組織や各種調整移管する活動や機能
プロジェクト作業パフォーマンス・ドメイン:
プロジェクトのプロセスの確立、物理的なリソースの管理、学習環境の強化に関連する活動や機能
デリバリー・パフォーマンス・ドメイン:
プロジェクトを達成するためのスコープおよび品質の提供に関するアクティビティと機能
測定パフォーマンス・ドメイン:
プロジェクトのパフォーマンスを評価し、許容可能なパフォーマンスを維持するために適切なアクションを実行するアクティビティおよび機能
不確かさ パフォーマンス・ドメイン: リスクや不確実性に関するアクティビティと機能
PMBOK®ガイド第8版の「プロジェクトマネジメント標準」(The Standard for Project Management ) では プロジェクトマネジメントの「原理・原則」が12 ⇒ 6に再定義されました。
PMBOK®ガイド 第8版におけるプロジェクトマネジメントの「6 つの原理・原則」とは?
包括的な視点を採用する
・プロジェクトの開始から実行、終了に至る全ライフサイクルを通じて全体的視点を採用し、各段階でのシームレスな統合と整合性を確保する。
・プロジェクトを、より大きなシステムの一部として、すべての構成要素とその相互依存関係を考慮して理解し管理すること。
⇒ プロジェクト内の要素の相互関連性を強調するシステム思考
価値に焦点を当てる ・ビジネス目標および意図した利益・価値に対するプロジェクトの整合性を継続的に評価・調整する。
プロセスと成果物に品質を組み込む
・プロセスと成果物に品質を組み込むkことで、プロジェクト目標を満たし、関連ステークホルダーが設定したニーズ、要件、受入基準に沿った成果を確保する。
責任あるリーダーであれ
・誠実さをもってチームを導き、責任ある意思決定を行い、信頼と責任の文化を育むことで、リーダーシップ行動を示し、責任あるリーダーであることの重要性。
すべてのプロジェクト領域に持続可能性を統合する
・プロジェクトマネージャー、チーム、スポンサーが共同で責任を負い、プロジェクトライフサイクルの全段階を通じて、すべてのプロジェクト領域に持続可能性の実践を一貫して統合する。
・将来の世代が自らのニーズを満たす能力を損なうことなく、現在のニーズを満たすこと。
・より良い未来を育むために責任を持って技術を採用すると同時に、組織、コミュニティ、環境に対する悪影響を体系的に特定し軽減すること。
自律性のある文化を構築する ・多様なスキル、知識、経験を持つステークホルダーとチームを通じて、積極的な協働を育み、共有目標における結束を効率的かつ効果的に促進するエンパワーメント 文化を構築する。
【エンパワーメント】
プロジェクトの成功に向けて、関係者やチームメンバーが自律的に、かつ効果的に貢献できるように権限や機会を与えること。
⇒ チーム全員に権限や機会を与え、成功に向けて前向きかつ効果的に協力し合える環境を築き、プロジェクトの目標達成に向けて、最大限の価値を発揮できるようにする。
(参考)
プロジェクト・マネジメント標準/PMBOK®ガイド 第7版における「 12の原理・原則」
スチュワードシップ(Stewardship):
・勤勉で、敬意を払い、思いやりのある(面倒見の良い)受託責任者であること
チーム(Team):
・協働的なチーム環境の構築によって(1)他の組織の文化やガイドラインとの整合を促進し、(2)個人とチームの学習および育成を促し、(3)望ましい成果を提供するための最適な貢献を促進すること
ステークホルダー(Stakeholders):
・ステークホルダーの関心やニーズを把握するために、ステークホルダーと効果的に関わり、価値の実現を前向きに進めること
バリュー/価値(Value):
・価値(成果)に焦点を当て、事業目標および意図したベネフィットや価値へのプロジェクトの整合性を継続的に評価し調整すること
システム思考(Systems
Thinking):
・要素間の相互依存性や相互関連性に着目し、全体像とその動きをとらえること
・全体を俯瞰して、プロジェクト内外の変化し続ける状況を認識し、評価し、それに対応すること
リーダーシップ(Leadership):
・周囲のモチベーションを高めるようリーダーシップの行動を示し、影響を与え、指導し、自ら学ぶこと
テーラリング(Tailoring):
・価値を最大限に高め、コストをマネジメントし、スピードを速めながら望ましい成果を達成するために「過不足ない」プロセスを使用して、プロジェクト、プロジェクト目標、ステークホルダー、ガバナンス、環境の状況にもとづいて、プロジェクト開発アプローチを設計すること
品質(Quality):
・プロセスと結果(成果物)に品質を組み込むこと
複雑さ(Complexity):
・知識と経験と学習したことに基づいてプロジェクトの複雑さを継続的に評価し(複雑さの要素を特定することに気を配る)、それに対処する(様々な方法を用いて複雑さの程度や影響を減らす)こと
リスク(Risk):
・好機(機会)と脅威のリスクに対処し、リスク対応を最適化すること
適応力と回復力(Adaptability and
Resilience):
・プロジェクトが変化に適応し、挫折から回復し、プロジェクト作業を推進するために、組織およびプロジェクト・チームのアプローチに適応力と回復力を備えること
チェンジ・マネジメント/変革(Change
Management):
・想定された将来の状態を実現するために変更・変革を可能にすること
PMBOK®ガイド 第8版では、PMBOK®ガイド 第6版まで掲載されていた、プロジェクトマネジメントの全体像を把握するために重要な「プロジェクトマネジメント・プロセス群とパフォーマンス・ドメインの対応表」 が復活しました。
第6版までは「プロセス・マップ」 と呼ばれていたこの対応表では、横軸に5つのプロセス群 、縦軸に7つのパフォーマンス・ドメイン を配置し、その中に「40 のプロセス」 を示すことで、各プロセスがどのプロセス群とパフォーマンス・ドメインに属しているのかを視覚的に表現しています。
これにより、プロジェクトマネジャーは、どのプロセスをいつ、どのように実行すべきかをより明確に把握できる ようになります。
第6版までの10の知識エリアは7つのパフォーマンス領域に置き換え られ、第8版では新しい視点で展開されています。また、統合マネジメントエリアがガバナンスに、コスト・マネジメントエリアがファイナンスに置き換わり、ステークホルダー・マネジメントとコミュニケーション・マネジメントが統合される など、各要素の融合や再定義等が行われています。
(6版)統合マネジメント・エリア ⇒ (8版)ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン
(6版)スコープ・マネジメント・エリア ⇒ (8版)スコープ・パフォーマンス・ドメイン
(6版)タイム・マネジメント・エリア ⇒ (8版)スケジュール・パフォーマンス・ドメイン
(6版)コスト・マネジメント・エリア ⇒ (8版)ファイナンス・パフォーマンス・ドメイン
(6版)コミュニケーション・マネジメント・エリア ⇒ (8版)「ステークホルダー・パフォーマンス・ドメイン」に統合
(6版)ステークホルダー・マネジメント・エリア ⇒ (8版)ステークホルダー・パフォーマンス・ドメイン
(6版)資源マネジメント・エリア ⇒ (8版)資源パフォーマンス・ドメイン
(6版)リスク・マネジメント・エリア ⇒ (8版)リスク・パフォーマンス・ドメイ
(6版)品質マネジメント・エリア ⇒ (8版)各プロセスと成果物への組み込みにより対応表からは消滅
(6版)調達マネジメント・エリア ⇒ (8版)付属文書に移動し、対応表からは消滅
PMBOK®ガイド第8版では、PMBOK®ガイド 第7版で廃止されたプロセスベースの構造が、「立ち上げの重点領域」「計画の重点領域」「実行の重点分野」「監視・コントロールの重点領域」「終結の重点分野」という形でプロジェクトマネジメントの重点領域として再導入 されています。
これは、第6版までのプロセスグループ(立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結)への「揺り戻し」 であり、原理・原則ベースだった第7版から、第6版までのプロセス重視の構造がハイブリッドな形で復活したと言えます。
クリックして拡大できます。PMBOK®ガイド第8版 「プロジェクトマネジメント・プロセス群とパフォーマンス・ドメインの対応表」
【立上げプロセス群】
<ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン >
<ステークホルダー ・パフォーマンス・ドメイン >
【計画プロセス群】
<ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン >
<スコープ ・パフォーマンス・ドメイン >
スコープマネジメントの計画
要求事項の抽出と分析
スコープの定義
スコープ構造の開発
<スケジュール ・パフォーマンス・ドメイン >
スケジュールマネジメントの計画
スケジュールの策定
<財務 パフォーマンス・ドメイン >
財務マネジメントの計画
コストの見積もり
予算設定
<ステークホルダー ・パフォーマンス・ドメイン >
ステークホルダー エンゲージメントの計画
コミュニケーションマネジメントの計画
<資源 パフォーマンス・ドメイン >
<リスク ・パフォーマンス・ドメイン >
リスクマネジメントの計画
リスクの特定
リスク分析の実施
リスク対応策の計画
【実行プロセス群】
<ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン >
プロジェクト実行のマネジメント
品質保証のマネジメント
プロジェクト知識のマネジメント
<ステークホルダー ・パフォーマンス・ドメイン >
ステークホルダー エンゲージメントのマネジメント
コミュニケーションのマネジメント
<資源 パフォーマンス・ドメイン >
<リスク ・パフォーマンス・ドメイン >
【監視・コントロール・プロセス群】
<ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン>
プロジェクトパフォーマンスの監視と制御
変更の評価と実施
<スコープ・パフォーマンス・ドメイン>
<スケジュール ・パフォーマンス・ドメイン >
<財務 パフォーマンス・ドメイン >
<ステークホルダー ・パフォーマンス・ドメイン >
ステークホルダー エンゲージメントの監視
コミュニケーションの監視
<資源 パフォーマンス・ドメイン >
<リスク ・パフォーマンス・ドメイン >
【終結プロセス群】
<ガバナンス・パフォーマンス・ドメイン>
PMBOK®ガイド 第8版では、第6版まで使用されていたフレームワークとして、ITTO(Input:インプット、Tools and Techniques:ツールと技法、Output:アウトプット)が復活 しました。
ITTOは、各プロセスの仕組みを体系的に理解するための重要な概念であり、PMBOK®ガイド 第8版では「プロセス群とパフォーマンス領域の対応表」(プロセス・マップ) において、40のプロセスそれぞれに対してITTOが明確に定義 されています。
これにより、プロジェクトマネジメントの実践において、各プロセスのインプット、ツールと技法、アウトプットをより深く理解し、効率的なプロジェクトマネジメントの学習と実践が可能になります。
Input(インプット): プロセスを実行するために必要なデータや情報、文書
Tools and Techniques(ツールと技法): インプットを処理し、アウトプットを生成するために使用される手段や方法
Output(アウトプット): プロセスの実行により生成される成果物や文書
ITTOフレームワークの復活に伴い、PMBOK®ガイド 第8版では、各プロセスの「インプットとアウトプット」および「ツールと技法」が新たに大項目として加わり、詳細に解説 されています。
「インプットとアウトプット」および「ツールと技法」のセクションでは、各プロセスの詳細な情報がアルファベット順に整理されており、これにより、プロジェクトマネジャーは、ITTOの各要素をより深く理解でき、また、必要な情報に迅速にアクセスし、プロジェクトの状況に合わせて適切なツールや技法を選択することができます。
PMBOK®ガイド 第8版では、付属文書(APPENDIX)にPMO、AI、調達に関する付属文書が新たに追加され、内容が大幅に拡充されました。
特に、「AIの活用とその重要性」「AI活用に関する倫理的な考慮事項」 やが強調されており、プロジェクト環境でのAI、一般的なユースケース、責任ある利用と倫理的懸念といった現代的なトピックが扱われています。本項目では、AI技術がプロジェクトマネジメントに大きな変革をもたらしており、すべてのプロジェクト専門家がこの技術を理解し、責任を持って活用する必要があることを解説しています。
「PMO」 に関する文書では「プロセス重視から顧客中心のパートナーシップの重要性」 という視点が加わり、プロジェクトマネジメントオフィスがプロジェクト成功に果たす役割や、「組織にとっての戦略的価値の創出」 が重要であることが解説されています。
現代のPMOは、組織の戦略的目標を達成するための顧客中心的なビジネスパートナー であり、成功のためにはその組織固有のニーズに合わせて柔軟に構造をカスタマイズ することが求められていることが読み取れます。
「調達」 に関しては付属文書に項目移行し、戦略的な調達プロセスや戦略、契約、内製と外注の選択基準、プロジェクトマネジャーの役割、クレーム管理/紛争解決 などPMBOK®ガイド 第7版で知識エリアとして扱われていた内容が補強されています。
これらの追加により、PMBOK®ガイド 第8版は、より実践的なガイドブックに進化し、変化の激しいビジネス環境に対応できるようになり、プロジェクトマネジャーが直面する最新の課題に対応するための羅針盤として活用することができるようになります。
PMBOK®ガイド 第8版は、第7版(約250ページ)から151ページほどボリュームアップして401ページとなっており、より充実した内容となっています。
今回のPMBOK®ガイド の改訂では、第6版の構造的な強み と第7版の抽象的な概念 を融合 させ、よりシンプルかつ実践的なプロジェクトマネジメントのガイドライへと進化 しており、PMBOK®ガイド 第8版はプロジェクトマネジメント実務者にとって、非常に使いやすいものになっています。
本ページは、PMP®有資格者および、米国PMI®の認定を受けたトレーナー等の専門家が監修しており、PMBOKガイド®第8版リリースに伴う最新の試験傾向や試験予測等の情報を発信いたしております。
米国PMI®認定トレーナー(Kazuma Kajita, PMP)
米国PMI認定PMP (PMP: Project Management Professional/プロジェクトマネジメント国際資格)
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